☆☆☆

1人で病室に戻ってからも、霧夜さんの言葉が頭から離れなかった。


実験ってなんだ?


時間がない?


『かいか』って……?


疑問ばかりが頭の中を渦巻いている。


リナに直接会って聞きたいという気持ちもあったが、足はあの非常階段へ向かわなかった。


真っ暗な病室の中、天井を睨みつけながら考える。


『俺はお前に道をあけてやった、後は任せたからな』


「あ……」


そこで、俺は気づいた。


『道をあけてやった』


って……。