さっきまでの険しい顔ではなく、少しだけ眉を垂らしている。


「俺はあいつの兄貴だ」


うそ――!!


ギョッと目を見開き、唖然とする俺。


まさか、そんな、本当に?


この人が、リナの兄貴……!?


ボコられる。


絶対にボコられる!!


そう思い、少しずつ後ずさりしていく俺。


冷や汗が流れて、ノミのように小さな心臓が悲鳴をあげる。


「あ……の……」


『ごめんなさい!!』


そう言って頭を下げようとした時――。


「頼む!!」


と、リナのお兄さんが大きな体で土下座して来たのだ。


へ――…?


「リナを……あいつを、助けてやってくれ――!!」