「知らないのか? リナちゃんのお兄さんのこと」


「リナの……お兄さん?」


兄弟がいたことさえ、俺は知らなかった。


「すっげぇシスコンな兄貴でさ、今までリナちゃんに近づいてきたタレントやモデルの男どもを片っ端からなぎ倒してきたらしいんだ」


シスコンの兄貴……?


「まさか、それもただのデマだろ?」


「いいや、これは真実! その証拠に今までリナちゃんのスクープも、浮いた話も一つもないんだよ」


「そりゃ芸能人だから気をつけてんじゃねぇの? 事務所がもみ消してるとかさ」


「ど~だかなぁ~?」


ヒロシはそう言い、「俺は絶対、兄貴の存在があるからだと思うね」といって、再び週刊誌に視線を落とした。


「シスコン兄貴……」


俺は小さく呟いて、なんとなく、寒気がして身震いしたのだった――。