「誰?」


透き通るようなその声に、背筋が凍る。


見ちゃダメだ。


見ちゃダメだ!


そう思っているのに、『誰?』と言うその声に導かれるようにして、俺は目を開けた。


「……ひっ!」


そこには昨日と同じような場所に立って、こちらを見つめている1人の少女の姿があった。


暗くて、焦っていて、その顔を確認する暇なんてない。


汗の滲む手でなんとか携帯電話を取り出して、少女にカメラを向ける。


よし。


これでヒロシを見返してやれるぞ。


そう思ったとき――。


「やめて下さい!」