「で、その女可愛かったか?」


「そんなのわかんねぇよ! とにかく、普通の雰囲気じゃなかった。渡り廊下の金網の向こうにさ、ボヤーッと立っててさ!!」


昨日の出来事を鮮明に思い出して鳥肌が全身を覆った時――。


ブーッ!!


と、ヒロシが吹き出した。


「マ、マジかよお前! やっぱり『見ちゃった』んじゃねぇかよ」


アハハハハッ!!


こらえきれなくなって大爆笑中のヒロシ。


俺は一瞬キョトンとしていたが、だんだんと怒りのボルテージが上がっていく。


「だいたいさ、渡り廊下に金網なんかあるワケねぇじゃん? それじゃ渡り廊下、渡れねぇじゃん!!」


アハハハハッ!!


その笑い声とほぼ同時に、俺はキレた。


「うるせぇなっ! とっとと帰れ!!」


……だからさ、ここ個室じゃねぇんだってば……。