当たり前……。


リナがいなくなる事の方が当たり前で、こうして一緒にいる事の方が異常。


頭では理解していても、なかなか納得する事はできない現実だった。


「ねぇ、1つお願いがあるの」


「なに?」


俺は極力リナを見ずに、遠くの噴水を見ていた。


「私が、開花したら――」


そこまで言いかけて、リナが口を閉じた。


ジッと遠くを見ている。


え……?


その目の先には、数十人の男たち。