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それから俺たちは砂浜で遊んだり他愛のない会話をしていた。


何も知らない人から見れば、恋人同士に見えたかもしれない。


時々彼女を抱きしめて、キスをして。


その度に切なさが体中をかけめぐり、叫びたい気分に襲われた。


「私、こんなに楽しかったの初めて」


足首まで海につかって言うリナに「大げさだなぁ」と、笑う。


「本当だよ? 本当なんだからね?」


信じてもらえなかったことにムキになって頬を膨らませるリナ。


わかってるよ。


俺だってこれほど楽しかった事今までないんだから。