でも、こんな姿――。


胸の下にはまだ目立つ手術痕。


「ひどすぎる……」


気づけば涙が溢れ出していた。


人が死ぬのは悲しい。


生きていて欲しいと、誰もが願う。


残される人間ならば、誰もが願う。


どんな姿でもいいからと……。


「もう、嫌なの」


リナはか細く言った。


「リナ……」


俺はリナに上着をきせて、抱き寄せた。


人が死ぬのは悲しい。


だからといってひどい姿で生き続ける事を強いてもいいのか?


元々人前に出ていたリナにとったら、俺が想像している以上にショックは大きいだろう。


「苦しいの。もう、やなの」