そして、言葉を失う。


俺が触れている部分に目が釘付けになって離れない。


いびつに盛り上がった皮膚。


左の乳房の下。


本来なら心臓があるその場所に……。


「た……ね?」


皮膚が、内側から大きな種のような形に引っ張られ盛り上がっているのだ。


それだけじゃない。


そこから下へ向けていくつのも線が盛り上がっている。


まるで……心臓に種が寄生し根を張ったような――。


「これが、お父さんの研究なの」


初めて、リナの声が震えた。


「そんな……」


俺はその種がドクンドクンと動いている事に気づく。


この種は、リナの心臓と繋がってるんだ。


種の力で、リナの心臓が動いてる。