「なんだよ」


「目の下どうしたんだよ? クマで真っ黒だぞ」


という事は、やっぱり一睡もできなかったんだ。


「ちょっとな」


ヒロシを適当にあしらって病院食をかきこむ。


でも――。


あの女――。


思い出して、背筋が冷たくなる。


確かに見た。


この目でバッチリ。


「な……なぁヒロシ」


「なんだよ」


パイプ椅子に座って昨日のエロ本を広げるヒロシ。


「お前、幽霊とか信じるか?」


「は……?」