俺は部屋の中を見回す。


「この部屋他に出口は?」


聞くと、リナは小さく首を振った。


廊下を突っ切っていくしかないのか……。


汗の滲む手で、ギュッとリナの手を握り締める。


フェンス越しじゃない、彼女の手を。


「リナ、行けるか?」


「……はい」


少しとまどった表情を見せた後、リナは強く頷いた。


それと同時に、「ナオキィ!!!」と、叫ぶヒロシの声。


よし、行ける。


行くぞ。