けたたましい警報が鳴り始めたのだ。


一瞬頭の中が真っ白になり動きが止まる。


「ナオキ!!」


ヒロシの叫び声で我に返り、俺はドアを大きく開けた。


そこには――。


真っ白な部屋、真っ白なベッド、そしてそこに横たわる彼女の姿。


「リナ!!」


俺が大声で呼ぶと、閉じていたリナの目が大きく開いた。


「ナオキさん……?」


「早く、ここから出るんだ!」


リナの手を掴み、強引にベッドから出す。


「警報が鳴ってるわ……」


「あぁ、このドアを開けたら鳴り始めた」


「ダメよ。警報がなったらすぐに人が来る。ナオキが掴まっちゃうわ」


困ったように言うリナ。


確かにリナの言うとおりだ。


さっきから廊下でヒロシの罵声が響いている。