辺りを探していると、入り口の方から男のくぐもった悲鳴が聞こえてきた。


「まさか……」


サーッと血の気が引いていき、足が勝手にそちらへむけて動いていた。


「ヒロシ!?」


大急ぎでかけつけた俺に向けて、ピースサインを送ってくるヒロシ。


その足元には伸びている2人の警備員の姿があった。


「なにしてんだよ、お前!」


「なにって、こいつらいたら入れねぇから」


ケロッとして言うヒロシに、俺はため息を吐き出す。


だからってこんな簡単に倒すなよ。


何のためにオヤジくさい警備員の服着てきたんだよ俺は。