布団にもぐりこみ、ガタガタと震える俺の肩を誰かが叩いた。


「うわぁーっ!!」


あの女の顔を思い出して叫び声を上げて、「なんだよナオキ。どうしたんだよ」と、聞き慣れた声にハッと我に返った。


あ……れ?


布団から顔を出してみれば、いつの間にか太陽の光が病室を照らし出し、ヒロシがトレイに乗った朝ご飯を持ってきてくれたところだった。


「朝……?」


「どう考えても朝。で、早く食ってくれって看護士さんに渡されて持ってきた」


ヒロに言われて時計を見れば、もうとっくの前に朝食時間を過ぎている。


いつの間に?


起床の音楽も耳に入らなかったぞ。


「ってか、お前ひでぇ顔」


そう言って、ヒロシは俺を指差して笑い始めた。