「なぁ、俺ら親友だよな? 俺は絶対お前の秘密を守る。だから、話してくれてもいいんじゃねぇの?」


「あぁ……そうだな」


俺はヒロの前にあぐらをかいて座り、記憶を蘇らせる。


「あの……あれか? 去年の夏お前にかりた漫画を間違えて売っちゃたやつ。あれは本当に悪かったと思ってる。ごめん」


潔く頭を下げる俺に、キョトンッとした表情のヒロ。


あれ? これじゃなかったのか?


「じゃぁ……えっと。お前と同じボランティアに参加してたユミちゃん。あの子がお前と連絡取らなくなったのは、実は俺が他の男を紹介したからなんだ。ユミちゃんもその男もあっという間に仲良くなっちゃってさ、お前に言う暇もなく付き合い始めちゃって――」


「違うだろ!!!」


懐かしい思い出を語る俺を阻止して、ヒロシが怒鳴り声を上げた。


その顔は真っ赤で、目には涙が滲んでいる。