「どういう事ですか……?」


人は神にはなれない?


その言葉の意味がいまいち理解できない。


霧夜さんは何度か大きく呼吸をして、ようやくお茶を一口飲んだ。


「人の生き死にを操るのは人じゃない」


「霧夜さん……?」


「神は人の上に人を作らずと言うだろう。本当に、その通りなんだよ」


「言っている事がよくわからないんです。実験が失敗してよかったって、どういう事ですか? クウナちゃんが亡くなったのも、その実験が原因なんですか?」


肩をつかみ、詰め寄る。


すると、霧夜さんはおだやかな表情で、少しだけ微笑みながら口を開いた。


「クウナちゃんも、リナも、もう死んでるんだよ」


え――…?


「2人は、もうとっくの前に死んでるんだよ――」