『時間がない』


わかってる。


わかってんだよ霧夜さん。


『失敗したの』


「……実験は、失敗……」


呟き、ハッとして上半身を勢いよく起こす。


そうだよ。


そうだ!!


リナは実験の事を知ってたんだ!!


引っかかっていることに気づき、それと同時に新たな謎が生まれる。


「知ってて……どうして?」


どうしてリナは黙ってあの病棟に入ってたんだ?


実験台にされていると知っていたのに、なぜ……?


自分の父親の実験だからか?


だから自らが実験台になった?


「違う……」