色がなかった。
 仲のいい友達はいる。ありがたいことに仕事もある。
 それなのになにも色が付かない私の人生。
 代り映えのない毎日に色を付けてくれたのは
 やさしくて、強くて、冷たい人。
 
 幸せだった日常を、ぶち壊してくれた。
 大好きだったものを奪われて、ただひたすらに沈んでいく。
 それでも世界は何も変わらずに動き続ける。
 唯一得られたものがあるとすれば
 死んでも守りたいと思う人ができたこと。
 
 【これからお話しするのは、私の人生の中で最も輝いていた時のことです。色のない毎日を過ごしていた私に彩をくれた人とのお話です。】