「確かに、ちょうどいいじゃん明日水族館行くんだし」
俺もすかさず母のその提案に乗った。別に佐伯と一夜を過ごしたいとかではない。効率的だと思っただけだ。
「あ、えっと…服とか持ってきてないんですけど」
「それなら平気よ!俊の従姉妹がよく泊まりに来るから服ならいくらでもあるわよ。なんならあげるわ」
俺の従姉妹は向こうの方が三つ年上で母の姉の娘だ。
「あ、じゃあお言葉に甘えて…泊まらせてください」
佐伯は丁寧に母に向かってお辞儀をした。
「わかったわ。布団用意しておくから風呂はいってきていいわよー」
すると佐伯は俺たちの方へ向いて、
「先輩達先行っていいですよ」
と言ってきたので俺と彰は顔を見合わせてどっちが先に入るか確認した。
「どっち先入る?」
彰が俺にそう聞いてきたが既に彰は風呂セットを持っているので譲ることにした。
「先いいよ。俺はその後入るわ。」
「じゃあお先ー」
そう言って彰は足早に風呂場に向かった。