席の並び順は俺と佐伯が隣で、母と彰が隣同士で座っている感じだ。そして、俺の前に彰が座っている。
「じゃあ、いただきます」
練習試合終わりということもあり、お腹がすいていたのですぐにお玉で鍋の具材と汁をすくって自分の器に移した。
「そうだ。今日の練習試合、応援行けなくてごめんね！」
美味しい鍋を堪能していると母が俺にいきなり謝った。そういえば今日は来るって言ってたっけ
「ああ、いいよ別に」
俺が素っ気なくシンプルにそう答えた時に佐伯が口を開いた。
「もしかしてお母さんもバスケをやられてたんですか？」
「いや、やってないわよ。昔は吹奏楽部だったのよ」
そんな話は一度も聞いたことがなかった。もしかしたらDeer hornさんとは部活仲間だったのかもしれないな。と勝手にそんなことを考えていた。
「あの…私Deer hornさんのファンなんですけど俊先輩からお母さんが仲良かったと聞いたので少しお話聞かせて貰ってもいいですか？」