楓がなんの用事があるのか俺には分からない。もしかしたら佐伯と話すのが気まずくなってしまって出たのかもしれない。でも、俺が楓を追いかけたりなんかしたら余計に怪しまれるし佐伯を一人には出来なかった。
「隣…空いてますよ」
佐伯は自分の隣の席。そこはさっきまで楓が座っていた席だった。そして、気づけば車内は随分と人が減っていた。ちょうど全員が座れる状態で席を譲るような人はいなかったので大人しく佐伯の言う通り座ることにした。
「あ、うん。ありがとう」
俺は座る前にポケットからスマホを取り出し、耳からイヤホンを外してスマホにぐるぐる巻きにして席に座った。さすがの俺でも二人きりの状態で音楽を聞くのは気が引けた。
「先輩っていつもどんな音楽聞いてるんですか?」
俺がいつも聞いているのはピアノを弾きながら歌を歌っているソロシンガーの人の歌だ。ピアノを弾きながら歌う人なんているにはいる。でも、この人の驚くべき点は他にある。そして正直、中学生が聞くようなものでは無いと思う。
「うーん。佐伯にはまだ早いかなー」
「なんですかそれ。そんな言われたら聞いてみたいです。」
「隣…空いてますよ」
佐伯は自分の隣の席。そこはさっきまで楓が座っていた席だった。そして、気づけば車内は随分と人が減っていた。ちょうど全員が座れる状態で席を譲るような人はいなかったので大人しく佐伯の言う通り座ることにした。
「あ、うん。ありがとう」
俺は座る前にポケットからスマホを取り出し、耳からイヤホンを外してスマホにぐるぐる巻きにして席に座った。さすがの俺でも二人きりの状態で音楽を聞くのは気が引けた。
「先輩っていつもどんな音楽聞いてるんですか?」
俺がいつも聞いているのはピアノを弾きながら歌を歌っているソロシンガーの人の歌だ。ピアノを弾きながら歌う人なんているにはいる。でも、この人の驚くべき点は他にある。そして正直、中学生が聞くようなものでは無いと思う。
「うーん。佐伯にはまだ早いかなー」
「なんですかそれ。そんな言われたら聞いてみたいです。」