「じゃあ、頑張ってください!」
『おう!』
とりあえず、みんなに揃えて声を出しておいた。
彰がいないからっていつまでもグダグダしてるようじゃダメだと思い自分で自分の頬を両方から叩いた。そして、一度深呼吸をしてコートの中に入った。
「整列してください。」
審判の掛け声に従い、整列した。相手の身長は自分とあまり差はなかった。
とりあえず目の前の人と握手をした。そして、チームメイトの一人がジャンプボールをして、試合が始まった。
ジャンプボールには勝ったので速攻で攻めた。
バスケは流れが肝心なので、俺がボールを受け取るとすぐにゴールへ向かい、点を入れた。ほんの数秒の出来事だったから一瞬会場の時が止まった。
それからも果敢に攻め続けた。さすが一方的には行かなかったが第二クォーターが終わる頃にはだいぶ差をつけて勝っている状態だった。得点で言うと四十二点対二十二点。
「俊先輩。さすがです」
ベンチに座り、下を向いて休んでいると佐伯が声をかけてきた。
「いや、そんなことないよ」
本当に大したことない。いつもならもっと取れている。俺の不安は的中したらしい。プレーが噛み合ってない。