「は？もっと早く来いよ！やばいマジで！皆勤賞狙ってんのに！これで遅れたら彰のこと呪うからな！｣
俺は中学一年生から遅刻早退欠席ゼロだ。今は三年の一学期で六月の終わりの方。二度寝で遅刻とか勿体なさすぎる。
「は？自分のせいだろ？もう先に行くから事故らず来いよー」
そう言って彰は手を振りながら俺の部屋を後にした。
僕はと言うと急いで洗面所に行き、顔を洗い、歯を磨いて、制服に着替え、家を出た。
通っている中学は自転車登校禁止なのでスクールバッグを肩にかけ、揺らしながら走って学校へ向かった。
「危ねー！ギリギリ間に合った！」
席に着いたと同時にチャイムがなった。
「随分と遅刻キリギリだね〜」
汗を拭っているとにやにやしながら声をかけてきたのは後ろの席に座っている川口彰の双子の姉である川口楓だった。
「危うく皆勤賞逃すところだったぜー」
双子と言っても二卵生だからそんなに似ている訳では無い。