でも、肝心の二人は朱里さんの家に預けた。預けたというか、追っ払った。彰には悪いが、彰の病気の話をするのは少しややこしくなるので置いてきた。
「久しぶりだね。俊くん」
「お久しぶりです。俊典さん。」
言わなくてもわかるだろうが、俊典さんとは彰と楓の父の名だ。そして、俊典さんは俺にジュースとお菓子を出してもてなしてくれた。
俺たちはリビングで対面で座っている。
「それで、話って何かな」
実は言うと俊典さんは主張中だった。でも、彰に『ちょっと話がある』と連絡を入れてもらうと一時的に帰ってきてくれた。次の日には出ないといけないらしい。
「まぁ、単刀直入に言うと俺と彰が九州の高校
からスポーツ推薦を貰ったんですけど…………」
俺は今までのことや、主に進学の話をした。もちろん、俺のでは無い。彰と楓のだ。
「……なるほど。理由を聞いてもいいかい?」
「理由…ですか?」
「ああ、どうして彰と楓が九州まで行かなきゃならないのかだ」