俺たちは黙ってて堀内さんの過去の話を聞いていた。
「あ、ごめんね。こんな話して」
黙って聞いていたのが、飽きられてしまったのかと勘違いしたらしく話を途中でやめてしまった。
「あ、いえ。大丈夫です。」
「結局言いたいことは。親友であろうと、幼馴染であろうと、関係が途切れてしまえば一生後悔する。だから、君たち二人は安心してうちの高校に来てくれ。もちろん親御さんにもよろしくお願いね。まだ期間は十分にある。だから、ゆっくり決めてくれ。じゃあ、僕はこれで失礼するよ」
そして堀内さんは手を振りながら部屋を出ていった。顧問の先生は見送るためにそれについて行った。だから、俺と彰の二人でこの部屋に取り残されてしまった。
「…父さんに相談してみようかな」
彰は俺に話しかけたわけでなく、独り言のようにそう言った。
「なぁ、彰。俺は彰がどんな判断をしても俺は九州に行くよ」
これは決めていたことだった。彰はさっき『俺が推薦を断った場合って俊はどうなるんですか?』って聞いたけど俺は九州に行きたい。