「…そっか。それは残念だね。二人は幼馴染か何かかな？」
「え…はい。でも、なんで…」
何故か見抜かれた。理由は分からない。だから、そのまま聞いた。
「君たちの今住んでいる住所をさっき見せてもらったんだけど家が隣だったからそうなのかなって」
その理由はとてもシンプルなものだった。
「そう…なんですね。」
堀内さんは少し、何かを考え込んでいた。そして、答えが出たのかハッとなって俺たちの方を見た。
「では、こうしよう。君はマネージャーとしてうちに来るというのはどうだろう」
「マネージャー…ですか？俺、やった事ないですよ。」
「別にいいんだ。僕も昔、似たようなことがあってね。｣
「似たようなこと？」
俺は思わず聞き返してしまった。
「ああ。僕も昔、幼馴染がいてね。でも、君たちと同様に僕はスポーツ推薦で県外へ行くことになって離ればなれになってしまってね。それから会えずじまいさ。それに僕はその子のことがずっと好きだった。でも、その子は交通事故で亡くなってしまってね。当時の僕は頭が追いつかなくて部活を休みがちになってしまってね。推薦で入った場合って休み過ぎると退学になってしまうんだけどね。顧問の先生がどうにかしてくれたんだ。」