それからは色々説明された。学費免除の事だったり、近くに親戚などがいない場合、寮に入ることになることや、卒業してすぐの春休みから練習に入れることなど、色々。
「あの…一つ質問いいですか?」
諸々の説明が終わった時、彰がスっと手を挙げた。
「好きなだけ質問してくれ」
「さっき俺と俊の二人を欲しいと言ってたじゃないですか。もし、もし、俺がその推薦を断った場合って俊はどうなるんですか?」
「君は、断るつもりなのかい?」
「ここまで説明されたあとで申し訳ないんですけど、断るつもりです。」
彰は本当に申し訳なさそうに、俺と堀内さんに謝るようにそう言った。
「…理由とかを聞いてもいいかい?」
堀内さんは彰にそっと寄り添うように理由を聞いた。
「はい…持病がありまして。」
彰は本当のことを話したみたいだ。もちろん余命の事は抜きにして。
「怪我じゃなかったのか?」
俺らの顧問の先生は驚いていた。
「すみません、嘘ついてて。でも、持病は本当なんです。いつ倒れるかわからないです。だから、そちら側に迷惑かけてしまう可能性があって…」