「…そっか。でも、もしの話だろ?」
「え?驚かないのか?」
「何が?」
「だって…」
「それは彰が決めることだろ?俺は何も口出ししないよ。でも、それが他人のための決断なら違うぞ。」
俺は忠告しておいた。彰のその判断が仮に『楓のため』だったり、『俊のため』なら話が変わってくる。
楓は彰が死なないならどんな手段でもとると思う。だから、多分、彰がその決断をしたなら楓は喜んで賛成するはずだ。だからこそだ。それが、彰の判断であって欲しいと思う。
「…自分のためだよ」
彰ははっきりそう言った。だから、俺は笑って、
「そっか。ならいいんだ」
そう言った。それから何事もなく普通に就寝した。
来週の日曜日。
俺と彰は二人で進路指導室に呼び出された。理由はもちろん進路に関してのことだ。
「こちらが九州からわざわざお越しいただいた。堀内先生だ。」
俺たちの前に座っている男性は五十代後半の白髪混じりの茶髪のおじさんだった。そして、今日は一校だけというわけか。多分もう一校は後日またやるのだろう。
「初めまして。堀内です。」
「初めまして。田中です。」
「初めまして。川口です。」
シンプルかつ端的に自己紹介を済ませた。
「え?驚かないのか?」
「何が?」
「だって…」
「それは彰が決めることだろ?俺は何も口出ししないよ。でも、それが他人のための決断なら違うぞ。」
俺は忠告しておいた。彰のその判断が仮に『楓のため』だったり、『俊のため』なら話が変わってくる。
楓は彰が死なないならどんな手段でもとると思う。だから、多分、彰がその決断をしたなら楓は喜んで賛成するはずだ。だからこそだ。それが、彰の判断であって欲しいと思う。
「…自分のためだよ」
彰ははっきりそう言った。だから、俺は笑って、
「そっか。ならいいんだ」
そう言った。それから何事もなく普通に就寝した。
来週の日曜日。
俺と彰は二人で進路指導室に呼び出された。理由はもちろん進路に関してのことだ。
「こちらが九州からわざわざお越しいただいた。堀内先生だ。」
俺たちの前に座っている男性は五十代後半の白髪混じりの茶髪のおじさんだった。そして、今日は一校だけというわけか。多分もう一校は後日またやるのだろう。
「初めまして。堀内です。」
「初めまして。田中です。」
「初めまして。川口です。」
シンプルかつ端的に自己紹介を済ませた。