「邪魔?何言っての?そんなことあるわけないだろ」
俺は笑って本心を語った。別に俺は彰の負担になるまでバスケがしたい訳じゃない。バスケは好きだが、俺は楓と彰はもっと好きだ。だから、二人とバスケのどちらを取るかって言われたら真っ先に二人を取る。
「だって、俺のせいで迷ってるんだろ?」
「…そんなことないよ。自分があんなに強豪校に行っても大丈夫かなって思ってるだけ。」
これはこれで本心だった。自分なんかがあの強豪校に欲しがられてるなんて、今でも夢なんじゃないかなって思ってる。
「俊はどうしたんだ?」
「だから、まだ迷ってる」
「もし仮に、その迷いの原因が俺だったら、俊は自分の好きなようにやって欲しい。俺も自由にやるから」
「自由?」
俺がそう聞くと、彰は少し言いたずらそうに口ごもってからゆっくりと口を開いた。
「みんなにはまだ言いたくないけどさ。もし病気が治らなかったら冷凍保存されようと思うんだ。」
衝撃の告白だった。そして、水族館の近くの海に寄った時に言っていた、『死にたくない』という言葉が頭をよぎった。