「そっか…。それで、俊はどうするんだ?」
「うーん…出来れば九州の方の高校に行きたいけど」
俺は別にプロになりたいとかは考えたことは無い。普通に平凡な人生を歩みたい。
「けど?」
「いや、普通に遠いなって」
「あー、多分だけどさその高校春斗さんの家に近いんじゃなかったか?」
「え?そうだっけ?」
「多分そうだぞ」
俺はポケットから携帯を取り出して調べた。すると、彰の言う通り春斗さんの家からだいぶ近かった。
「なら茜さんに相談してみれば?」
「近くなくても相談するつもりだったよ」
「そっか…」
それからは無言でテレビを見ていた。そんな時間が少し経つと父が風呂から上がり、母から「ご飯よー」と言われたのでいつものように席に着いた。
「あのさぁ、高校のことなんだけど…」
食事中、俺は早速両親に彰のことも含め、進学の話をしようと思った。
「知ってるわよ。スポーツ推薦のことでしょ?彰君から聞いたわよ。それに、それなら別にいいわよ。」
「え!?」
「ごめん俊、話しちゃった。」