風呂に入りながらさっきの彰の悲しそうな顔について少し考えていた。
「なんだ…あの顔…初めて見た気がする」
独り言のようにそう呟いてから、頭から少しぬるいくらいのシャワーを浴びた。
「明日…楓に直接聞いてみるか」
湯船に漬かりながら、聞けるかどうかなんて分からないのに自信満々にそう言った。
それから数分、湯船につかってからバスルームから出てパジャマに着替えた。
それからはプロのバスケの試合動画を見たり、ゲームをして就寝した。
月が俺たちの真上に来た時、俺の携帯が鳴った。
「……誰だよ…こんな時間に…」
携帯の画面を見ると楓からだった。
「もしもし。こんな時間にどうしたの?」
『あ、ごめんね。こんな時間に』
特に震えてるとかそういうのはなく、ただただいつもの声だった。
「それで、どうしたの?」
『今友達の家に泊まってるんだけど、みんなが寝るの待っててこんな時間になっちゃったの』