春斗さんは俺が少し離れようとした時に、みんなに向けてそう言った。現在時刻は二時くらいだった。
俺たちは頷いてから、それぞれのお土産を買うことにした。
楓は朱里さんと共に行動して、春斗さんと芽吹さんはよくここに来るらしいから、入口付近で待機してくれていた。
彰はというと「佐伯のお土産俺も選ぶの手伝うぜ」と言って俺についてきている。
「それにしても複雑だわ」
「ん?何が?」
「どっちを応援すればいいか…」
彰は歩きながら腕を組んでいて、何かに悩んいた。
「何の話だ?」
「いやー結局、俊は楓が好きなんだろ?」
「えっと…」
「もういいから、頷けよ」
そう言って俺の肩をポンと叩いた。
「あーもう。そうだよ。ずっと前からな」
「たよな。んで、佐伯のお土産はどうするんだ?」
「話終わりかよ…」
別に楓と付き合うことが出来たら万々歳だか、前にも言ったが、今はいい。
「まぁ、とにかく佐伯のお土産何にするんだ?」
「決めてないけど。多分、お菓子かな」