「三人とも、春斗の方へ行くぞ」
そういえば、春斗さんと芽吹さんがうめがえもち？とかいうものを買ってくれたんだった。
俺たちは朱里さんについて行くと、俺たちを待っている春斗さんと芽吹さんが袋を持っている状態でベンチに座っていた。
「暖かい内にみんなで食べよう」
「ありがとうございます！」
朱里は嬉しそうにそれを一つ受け取った。
「ありがとうございます。」
彰は軽く頭を下げながらそれを受け取った。
「ありがとうございます。俺、梅好きなんですよ」
俺は受け取りながらそういうと、何故か春斗さんと芽吹さんは笑った。ついでに、朱里さんと楓も。
俺と彰は頭の上に「？」が浮かんでいた。
「ごめんごめん。確かに名前に梅は入ってるけど、残念だけど梅は入ってないよ。」
「え？じゃあ、なんで梅？」
「それはね。その昔、藤原道真を募うおばあさんの優しさから生まれたものなんだ。」
それから春斗さんは藤原道真とその優しい、おばあちゃんのあった出来事を話してくれた。