喧嘩の原因は彰の方にあるということか?
「ってことは喧嘩したってこと?」
「いや、喧嘩というか…なんというか…」
何か言いたずらそうなことなのだろうか。
「とりあえず喧嘩じゃないから。心配してくれたならごめん。でも、安心してくれ。本当に喧嘩じゃないから」
彰がそう言うならそうだろうけど、
「じゃあ彰が原因で楓が外泊してるってどういうことだ?」
「………それは、俺にも分からないけど……多分俺が原因なんだ」
また泣きそうな声で、今度は真面目な顔でそう言った。
「………そう…なんだ。と、とりあえず仲直りしてくれよ」
喧嘩してる訳では無い。でも、気まずい空気なのは確かだ。俺も、彰も、楓も。
それに、俺はまたいつもの仲のいい二人に戻って欲しかった。
「……わかったよ。努力してみるよ」
そう言って手を振り、窓を閉めた。
俺も窓を閉めた時に一階から母親に、「風呂入っちゃいなさーい」と言われたのでとりあえず風呂に入ることにした。