楓は笑ってお礼を言ってくれた。俺はこの笑顔を守りたい。素直にそう思った。
「これとかいいんじゃないか?」
俺は木箱に入った、なんとも豪華そうな金というか黄色のお守りを手に取った。
「それいいね。おばあちゃん、これにしようか。」
朱里さんは楓の言ったことに頷き、楓は俺が選んだものを手に取り会計に行ってしまった。
俺と朱里が二人で取り残されてしまった。
「そういえば、春斗さんと芽吹さんはどこに行ったですか?」
さっきまでお守りを探していた二人がいつの間にかどこかへ行ってしまっていた。
「あ、それなら向こうに行って梅ヶ枝餅買いに行ったよ」
「うめがえもち…ですか?」
「ああ、あれは絶品だよ。みんなの分買ってきてくれるらしいから彰と楓が戻ってきたらそっちに向かおうか」
「はい!」
餅は別に好きでも嫌いでもないが、梅は好きだ。
彰と楓はお守りを買うのに随分とてこずってるみたいだった。そんな二人を待っていると朱里さんが「そういえば」と話かけてきた。