「俊の好きな『お手紙』でも書けば?」
彰は俺の隣に座り、再び俺を煽った。でも、別に手紙をバカにしてるとかそういうのではないと思った。
「手紙って…」
「まぁとりあえず、俺なんかに気を遣わないで欲しいな。俊には」
別に、彰に気を遣っている訳ではなかった。俺も今は彰の病気のことで頭がいっぱいなだけだった。いや、これは言い訳かもしれない。でも、俺は告白が失敗するくらいなら今のままの関係がベストだとも思う。
「俺、先出るわ」
俺が楓と彰のことで頭を悩ませていると彰はそう言って、まだ入って一、二分くらいだが風呂場から出てしまった。俺はもう少しお風呂に浸かって身体を癒そうと思った。
寝落ちしかけながらも湯船に浸かっていると彰が風呂場のドアを開けてきた。
「おーい。なんか、凄い電話なってるぞ?」
「後で出るから置いといてくれ」
今は余計なことを考えたくなかった。
「了解ー」
彰の姿が風呂場から消えた時、俺も体が熱くなってきたので風呂から出た。