「…………」
芽吹さんはまだ頭を下げていた。
「芽吹さん、顔をあげてください。」
朱里さんは優しい声で芽吹さんにそう言った。俺たち三人はそれを黙って見ていることしか出来なかった。
芽吹さんがゆっくりと頭をあげると朱里さんは真っ直ぐ芽吹さんを見て少し笑っていた。
「今度は……彰のことを頼みますね」
彰の病気が治るかなんて分からない。俺たちはただただ待つことしかできない。
「はい…任せてください。」
芽吹さんは元気はなかったものの返事をした。
「あの…ちょっと話があるんですけどいいですか。」
「え、僕に?構わないけど…」
「じゃあちょっとこっちに来てください」
楓は手招きして芽吹さんとどこかへ行ってしまった。
俺と彰と朱里さんは静かな空気の中二人を待っていた。俺は一口リンゴジュースを飲んだ。そしたら、彰が真似するようにリンゴジュースを飲んだ。
数分すると楓達が戻ってきた。
「なに…話してたんだ?」