「ああ、そうだが、この子は孫たちの友人だよ」
俺の頭をポンポンしながら朱里さんは受付のお姉さんに説明をした。
「医院長に会いに来たんですよね。今電話しますね」
そう言って受話器に耳を当て、医院長と思われる人に俺たちが来たことを伝えてくれたらしい。
「とりあえず、許可は取れました。医院長ならおそらく屋上にいると思いますよ」
俺たちは案内されてエレベーターで屋上へ向かった。
荷物はと言うと、一旦受付で預かって貰うことになった。
屋上へ行くと一人の男性がフェンスに腕をかけて街の風景を眺めていた。
「春斗と芽衣。久しぶりね」
朱里さんはその一人の男性を見ると二つの名前を出した。
その声に反応した一人の男性はこちらへ振り向いた。そして、どこかで見覚えのある顔だなと思ったが、俺はこの人に昔、会ったことがあった。
あれは彰と楓達のおじいちゃん。つまり、朱里さんの夫が彰と同じ病気で亡くなった時、葬式であったことがあった。顔を覚えていた理由はあの時、一番泣いていた人だからだ。
俺は会ったことあるけど、おじいちゃん子だった彰と楓は「おじいちゃんが死んだなんて信じない」と言って、その葬儀には出席しなかった。
俺の頭をポンポンしながら朱里さんは受付のお姉さんに説明をした。
「医院長に会いに来たんですよね。今電話しますね」
そう言って受話器に耳を当て、医院長と思われる人に俺たちが来たことを伝えてくれたらしい。
「とりあえず、許可は取れました。医院長ならおそらく屋上にいると思いますよ」
俺たちは案内されてエレベーターで屋上へ向かった。
荷物はと言うと、一旦受付で預かって貰うことになった。
屋上へ行くと一人の男性がフェンスに腕をかけて街の風景を眺めていた。
「春斗と芽衣。久しぶりね」
朱里さんはその一人の男性を見ると二つの名前を出した。
その声に反応した一人の男性はこちらへ振り向いた。そして、どこかで見覚えのある顔だなと思ったが、俺はこの人に昔、会ったことがあった。
あれは彰と楓達のおじいちゃん。つまり、朱里さんの夫が彰と同じ病気で亡くなった時、葬式であったことがあった。顔を覚えていた理由はあの時、一番泣いていた人だからだ。
俺は会ったことあるけど、おじいちゃん子だった彰と楓は「おじいちゃんが死んだなんて信じない」と言って、その葬儀には出席しなかった。