「じゃあ、私はこっちですので!」
分かれ道に立った時に、そう言ったが辺りが真っ暗なので最後まで送ることにする。
「いや、送るよ」
「え?いや、大丈夫ですから」
「いや、いい。暗いから送るよ」
「じゃ、じゃあ。お言葉に甘えて」
その後も普通に歩いて帰宅した。
「で、その友達は何部なの?」
さっきの話の続きをしようとした。
恋愛なんて現在進行形で一度しかしたこと無かったから、そういうことについてもっと知りたかった。
「え?ああ……バスケ部ですよ」
何故か顔を赤くしながらそう言った。なんでかはあえて聞かなかった。というか気にならなかった。
「俺らの部活ってこと?あ、女バスの方か」
後輩はいるにはいる。佐伯は二年生だけど男子と話してるところは見たことない。
俺らの部活は一年生十二人、二年生十八人、三年生十人の計四十人でやってる部活だ。もちろん女バスを除くとだ。
「まー、そんなところです…」
正直、俺は後輩のことはよく知らない。女バスも含めて。佐伯以外は。こいつは先輩である俺にやたらと絡んでくる。おそらく必要以上に。でも、嫌ではない。