俺はちらっと楓の方を見たら楓は笑顔で頷いた。まるで保護者の許可を得たみたいに。
「わかった。でも、無理だけはすんなよ」
「わかってるって。あと、手加減はするなよ」
彰は全力の俺と戦いたいみたいだった。無理だと思ったら楓に止めてもらおう。そう思った。
俺と彰の一体一が始まり、俺がフォワードということもあり、点は俺の方が取っていたがディフェンスは彰の方が圧倒的に上手い。まさに、一進一退だった。
そんな俺らの様子を黙って楓は見てくれていた。別に、楓にかっこいい所を見せたいわけじゃない。ただただひたすらに勝つためだけにプレーをした。
「やっぱ、一体一だと俊の方が強いな」
十点マッチというわけで始めたが結果は十対八でギリギリ俺の勝ちだった。第一にポジションが違うので半分は仕方がないとは思う。
「試合だと彰の方が活躍するけどな」
いつもそうだった。本来なら影でサポートするはずのガードがチームで一番活躍している。俺は少しだけそれが悔しかった。