楓の言う通りだ。本当にプレーしてはいけないのなら、俺が楓に彰がバスケをしていることを伝えた時に止めるのが普通だ。
「それも…そうだな」
「ほら、行ってきな!よ!」
楓は俺の背中を軽く押した。
「うわっ。押すなよ」
俺は軽く笑ってから彰の方へ向かった。
「へい!パス!」
俺は昔みたいに彰(ガード)から俺(スモールフォワード)へのパスを要求した。
「ほらよ!」
俺は彰からボールを受け取り、スリーポイントラインから少し離れたところからシュートを放った。
「相変わらず綺麗なフォームだな」
ボールは綺麗にリングに吸い込まれていき、そのボールを見て彰が俺を褒めた。
「ありがとう。そっちこそ、相変わらずドリブルがすごいな」
「一応、元ガードなんでね」
彰は得意げに、そして、俺に張り合うようにそう言った。
「なぁ、一体一しようぜ」
「…大丈夫なのか」
「平気平気、まだ全然動ける。それに、動けるうちに動いておきたい」