そして、彰との約束のため佐伯に「今日も一緒に帰りましょう」の誘いを断り、まっすぐ家に帰った。
家に帰り、一旦汗を流すためにシャワーを浴びて、昔彰と一緒に買ったバスケをするための服(おそろいではない)に着替えて家を出た。
「行ってきます」
「ちょっと!どこ行くの?」
そういえば彰とバスケをすることを母親に伝えてなかった。
「見ての通りバスケしてくる」
自分の服を少し引っ張ってアピールした。
すると、母は笑って「いってらっしゃい」と言ってくれた。
隣の家にいる川口家のインターホンを押したらすぐに俺と似たような格好をした彰がバスケットボールをカバンに入れて持って出てきた。
「その格好、久しぶりに見たわ」
本当に久しぶりに見た。もちろんだが一ヶ月前に見た彰とあまり差はない。
「そーだな。俺も久しぶりに着る。今まで普通に学校のジャージだったけど俊とバスケするならこれだろって思って」
「じゃあ、行こうぜ」
ついでに言うと、楓にはもう連絡してある。
俺が風呂に入る直前に『バスケコートに向かってくれ』と連絡を入れておいた。そしたら多分ちょうど俺と彰が着く頃にはついてると思う。