「でも、違ったよ。謝るのは俺たちだったよ。彰から聞いたよ。俊の性格。なんでも一人で抱え込むんだってな」
ちらっと周りを見ると彰の姿はなかった。
「だけどさ、佐伯から言われたと思うけど、もっと俺たちを頼って欲しいし、信頼して欲しい。だって俺たちチームだろ?」
「謝るのは俺の方だよ。本当にごめん」
なんで今まで気づかなかったんだろうか。俺は馬鹿だ。大事なものを自分で手放していた。バスケで一番大事な『チーム』を。
「じゃあ新チームだな!」
センターの関根が今までにない飛びっきりの笑顔を俺に向けた。みんなもその笑顔につられていた。
「そうですね!!新たなチームになったことですし、もう一試合やりますか!」
佐伯も今までにない位の元気な声でそう言った。
「おう!!!」
前とは違い俺もきちんとそれに応えた。
それからは下校時刻ギリギリまでみんなで試合や作戦会議をした。試合の方は急には合わせられないからまだまだだけど朝よりは幾分マシになった。