「それは違いますよ俊先輩。さっき私が話したことには続きがあるんですよ。」
「続き？」
「はい。彼らはこう言ってました。『俺らをもっと信用しろ。もっと頼れ』って」
「…あいつら不器用だな」
佐伯の話に対して俺より先に彰が反応をした。
「……なんだよ…それ」
嫌われてるのかと思ってた。ずっと。
一人でプレーして。皆を軽く見下してる自分がいて。調子が悪いのを彰のせいにして。
それに、俺がいない方が順調に勝ち進んでいけるんじゃないかって。でも、違った。俺が勝手に自己完結させてただけだった。
試合が終わり、佐伯がAチームの皆を集めた。
「…今までごめん」
俺は深々と頭を下げた。すると、ポイントガードである彰の代わりにAチームに入った川崎が口を開いた。
「正直…俺たちはずっと俊のことが嫌いだったよ。」
ああ、やっぱりそうか。俺はスっと頭を上げてもう一度謝ろうとした。
「ごめ…」
俺が謝ろうとした時に川崎は笑顔になって俺の謝ろうとする口を止めた。