何となくでそう聞くと佐伯は怒ってしまった。
「もう!全然聞いてないじゃないですか!友達が私に相談してきたんですけど私じゃ解決できないから手伝って欲しいって話です!」
「あ、惜しっ!」
少しだけふざけるためにそう言った。
「惜しくない!と、とりあえず最初から言いますね」
そう言って『友達の話』をし始めた。
内容は、その友人の好きな人は同じ部活の先輩なんだけどアピールしてるけど気づいてくれない。との事だ。
「いや、恋愛相談を俺にされても困るなぁ」
生まれてこの方恋が実ったことがない。ずっと前から楓のことが好きだからだ。よくいえば一途、悪くいえば意気地無し。
「そうですね。俊先輩は恋愛に疎いというか…なんというか…」
「じゃあなんで俺に相談したんだよ」
思わず笑ってしまった。
「鈍感だし、バスケバカだし…」
「おい。言い過ぎだろ」
バスケバカって…。確かに四六時中バスケと楓のことばっかり考えてるもんな俺……。