佐伯の近くでAチーム対Bチームの試合を見ることになった。俺のいないAチームにはBチームの田畑が入り、Bチームの空席にはCチームで一番上手い二年生が入った。
「よく見ててくださいね俊先輩。」
「…うん。」
随分と元気の無い返事をしてしまった。
「じゃあ、Aチームの皆さんはさっき言った作戦の通りにプレーしてくださーい!」
俺はその『作戦』を知らない。ただ、試合を見ててくださいしか、言われなかった。
試合が開始したがわかったことは俺がいなければ得点が取れないということと、俺がいなかったら得点が取られることがないということ。
「実は…先週、俊先輩以外のAチームの人たちから相談があって」
俺が俺の出ていない試合の分析をしていると佐伯が隣で真面目な顔で話し始めた。
「それで?」
「こう言ってましたよ。『俊以外のメンバーで一回試合がしたい』って」
「……え?」
「私も同じことを思いましたよ。俊先輩は一人で突っ込んでくし。ディフェンスだってそうですよ。一人で守ろうとして結局点取られてるし、もし、抜かれても後ろにヘルプしてくれる人がいるのに。」
「よく見ててくださいね俊先輩。」
「…うん。」
随分と元気の無い返事をしてしまった。
「じゃあ、Aチームの皆さんはさっき言った作戦の通りにプレーしてくださーい!」
俺はその『作戦』を知らない。ただ、試合を見ててくださいしか、言われなかった。
試合が開始したがわかったことは俺がいなければ得点が取れないということと、俺がいなかったら得点が取られることがないということ。
「実は…先週、俊先輩以外のAチームの人たちから相談があって」
俺が俺の出ていない試合の分析をしていると佐伯が隣で真面目な顔で話し始めた。
「それで?」
「こう言ってましたよ。『俊以外のメンバーで一回試合がしたい』って」
「……え?」
「私も同じことを思いましたよ。俊先輩は一人で突っ込んでくし。ディフェンスだってそうですよ。一人で守ろうとして結局点取られてるし、もし、抜かれても後ろにヘルプしてくれる人がいるのに。」