「隣の女の子は彼女?」
信号が青に変わったのに何故か俺は立ち止まっていて向こうは俺に歩み寄りながらそう聞いた。
「あ、違う違う。部活のマネージャー」
誤解をして欲しくないので全力で否定した。
「…それで学校に忘れ物でもしたの?」
話をそらすためにそう聞いた。
「うん。ちょっとね…。じゃあまた後でね」
そう言って走って学校の方まで行ってしまった。
「今のって…彰先輩の双子の…」
隣にいた佐伯がそう聞いてきた。
「あ、うん。彰の姉の楓。あいつも幼馴染。」
「始めてちゃんと見た気がしますけど、彰先輩とそんなに似てないですね」
「まぁ、双子って言っても二卵生だしな」
一番誤解をして欲しくない人に誤解をされた気がする。誤解してないといいな。そんなことをずっと考えていた。
「俊先輩!」
佐伯が耳元で大きな声で俺の名前を呼んだ。
「えっと……なに?」
「私の話聞いてました?」
やばい。全く聞いてなかった。
「えっと…友達が面白いって話?」