海に行った後の帰り道、彰に「楓と佐伯を送ってってやってくれ」と言われたので三人で帰った。いつも通り佐伯を家まで届けた後、楓に九州に彰も連れてくことになった経緯を説明した。
「…そっか。やっぱり話されたんだね。それにしても、バレてたのか…さすがだね」
楓は下を向きながら歩いていた。
今思えば、随分前に彰が『原因は俺だ』と言っていたし、最初からバレていたのだろう。
「前向きに行こう?」
「…そうだね」
楓は朝よりは笑うようになった気がした。
「明日さぁ、俺たちバスケすることになった」
俺は楓にも見に来て欲しくて唐突にそう言った。
「…え?俺たち?」
「うん。俺たち。彰と俺」
「部活?」
「いいや、近くバスケできる公園で、軽くならいいんだって。それに彰は部活辞めてからそこで軽くバスケしてたらしい」
「…行っても…いいかな」
楓は恐る恐る俺に許可を得ようとしたが、元々来て欲しくて言ったのだからもちろん答えは、
「いいよ。ていうか、だから言った。彰は内緒にして的なこと言ってたけど楓は見たいんだろ?」