「それなら余計にプレーに支障が出てるのが納得できますね」
「だから別に…」
もう諦めることにした。もちろんバスケではなく佐伯くるみに隠すことをだ。
「……ああ、そうだよ。最近調子が悪かったのも認めるし、それがあいつのせいなのも認めるよ」
そう言うと彼女はくすくすと笑った。
「………………」
「すみません。やっぱり…というかバレバレですけどね。彰先輩と何かあったのなら相談乗りますから」
「……お前意外と良い奴なんだな」
「意外とってなんですか!?仲間思いなだけです」
少し顔を赤くしてからそっぽを向いてしまった。
「でも、本当に喧嘩した訳ではないんだ。これは嘘じゃない。」
「そうなんですね……」
信号が赤に変わり、待っていると道路を挟んだ向こう側に楓がいた。楓と目が合った時に信号が赤から青に変わった。