次々にトレーナーの指示でイルカたちがジャンプしたりして、凄かった。沢山練習をしたのだろうというのが見てわかった。それにトレーナーとの仲も良さそうだった。まるで、いつの日かの俺と彰を見ているようで少し悲しくなったりもした。
そして最後のフィナーレの時、イルカたちは今まで以上に高く飛んで上の方にあったくす玉を鼻で叩き割った。さらに、落ちてくる時の水しぶきが想像以上に凄かった。
『うわぁ!』
みんなでほぼ同時に叫んだ。そして、みんなで顔を合わせ思わず大きな声で笑ってしまった。彰の場合濡れて服の色が変わっていた。
「彰先輩の服色変わってません?」
佐伯も彰を見て同じことに気づいたらしく俺の思ったことを代弁してくれた。そして、佐伯がそう言うとさらに笑けてしまった。
「いつもの俊先輩ですね!」
「だな」
彰と佐伯の二人は顔を見合わせてそんな会話をしていた。
「…え?」
俺が小さな声でそうつぶやくと彰が説明してくれた。
「だって俊、今日ずっとテンション低かったじゃん。さっきずっと佐伯と話してたんだ。」